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早田 邦久; 石神 努; 日高 昭秀; 阿部 清治
NEA/CSNI(1989)158, p.299 - 308, 1989/06
運転員による原子炉冷却系の強制減圧操作は、シビアアクシデント時だけでなく設計基準事故時の事故影響を緩和するために有効なアクシデントマネジメントの一つとして考えられている。JAERIでも強制減圧操作を主要な事故影響の緩和手法と位置づけ、様々な実験や解析を行ってきた。本報では、小破断LOCA時、過渡事象時、蒸気発生器伝熱管破損事故時に減圧操作を行った場合の有効性に関する解析結果ついて報告する。得られた主な成果は、a)小破断LOCAや過渡事象を起因事象とするシビアアクシデント時に原子炉冷却系の強制減圧操作を行うと、原子炉圧力容器の下部ヘッドの溶融破損タイミングを遅らせることができる。b)原子炉圧力容器下部ヘッドの破損時刻は、減圧操作のタイミングよりも減圧操作時にいくつの弁を開放したか、すなわち減圧速度に依存する。c)1次冷却系及び2次冷却系の強制減圧は、蒸気発生器伝熱管破損事故時の影響を緩和するとともに、炉心溶融を回避するために有効である。
久木田 豊; 浅香 英明; 中村 秀夫; 片山 二郎; 田坂 完二
CSNI-R-158, p.449 - 466, 1989/00
原子炉冷却系の減圧操作は、種々の事故シナリオにおいて炉心の冷却を維持する上で有効であると考えられている。特に最近は、1次系が高圧のままで炉心溶融に至り、高圧の炉心溶融物が圧力容器を貫通することを防止する観点から、1次系減圧操作が注目されている。本報は、ROSA-III及びROSA-IV計画によるLOCA実験のうち、減圧操作に関連した実験結果を要約したものであり、ROSA-III装置によりBWR小破断LOCA時のADSの作動条件を変更した場合の効果について調べた実験、ならびにROSA-IV装置によりPWR小破断LOCA時の1次系及び2次系減圧操作の有効性、限界、ならびに発生する可能性のある悪影響を調べた実験の結果を論じている。